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決定木分析の結果で入院時運動FIMを4群に層別化した重回帰分析の予測精度

徳永 誠,三宮克彦
Jpn J Compr Rehabil Sci 16: 68-73, 2025

【目的】Functional Independence Measure(FIM)の改善に影響する要因は患者層によって異なるため,要因を層別化して重回帰分析を行った報告がある.しかし, どの要因をどのように層別化すべきかについては明確でない.一方,決定木分析は層別化に寄与する要因と分岐基準を示すことができる.本研究は,決定木分析の結果で層別化した重回帰分析と通常の重回帰分析の予測精度を比較することを目的とした.
【方法】回復期リハビリテーション病棟に入棟した脳卒中患者1,100例を対象とした.Okamotoらの決定木分析結果に基づき,入院時運動FIM を13〜18点,19〜30点,31〜53点,54〜90点の4 群に層別化した上で,退院時運動FIMを目的変数とする変数選択重回帰分析を実施した.通常の重回帰分析で得た単一の予測式と,層別化で得られた4つの予測式について,残差平方和を求め,残差絶対値をWilcoxon 符号付順位和検定で比較した.
【結果】単一予測式では残差絶対値の中央値は7.5点,残差平方和14.7×104であった.4つの予測式では残差絶対値の中央値は4.2点,残差平方和9.9×104であり,残差絶対値は層別化した4つの予測式において有意に小さかった.
【結論】決定木分析の結果によって4群に層別化する手法は,重回帰分析の予測精度向上に有用であることが示唆された.

【キーワード】:重回帰分析,決定木分析,層別化,予測精度,Functional Independence Measure

第16巻 目次