藤原久登, 岸本 真, 小瀬英司, 篠永 浩, 田中絵里子, 中道真理子, 溝神文博
Jpn J Compr Rehabil Sci 16: 53-59, 2025
【目的】回復期リハビリテーション病棟では診療報酬上,薬剤師業務の評価がなされていない現状があるため病棟への薬剤師配置が進まず,薬剤師の有用性は十
分解明されていない.今回,運動器疾患患者において積極的に薬剤師が介入している群と非介入群を患者単位で分類し,薬剤師の介入によるADLの変化量への影響を評価した.
【方法】本研究は,回復期リハビリテーション病棟を対象とした多施設共同後ろ向きコホート研究である.調査協力施設は日本病院薬剤師会のホームページから募集した.2022年10月1日から10月31日までの期間で各調査施設を退院した運動器疾患患者を対象とし,主要評価項目としてFIM利得を積極的介入群と非積極的介入群で比較を行った.
【結果】合計140施設から回答を得て,1,265名の患者情報が回収された.傾向スコアで調整し,742名(積極的介入群:371名,非積極的介入群:371名)が本研究の解析対象患者となった.FIM利得を2群間比較した結果,非積極的介入群に比べ積極的介入群が有意に高値を示した.
【考察】回復期リハビリテーション病棟に入院している運動器疾患患者に対する薬剤師の積極的介入はADLの改善と有意な関連が認められた.回復期病棟に従事する薬剤師は積極的に病棟での活動を行い,減薬をはじめとする入院患者の薬剤の適正使用に寄与することが必要と考える.
【キーワード】:回復期リハビリテーション病棟,薬剤師介入,FIM利得