竹田倫世,内山侑紀,坂本洋子,田中雄士,末廣貴史,中川真一,酒田 耕,道免和久
Jpn J Compr Rehabil Sci 15: 79-87, 2024
【目的】回復期脳卒中後患者における院内COVID-19アウトブレイクのリハビリテーション治療への影響を検証する.
【方法】2022年7月22日から8月13日に当院回復期病棟で発生したCOVID-19アウトブレイク期間中に入院中の脳卒中後患者(アウトブレイク群)を対象とした後ろ向き観察研究.対照群は10月1日から12月31日に回復期病棟に入院した患者(非アウトブレイク群).2群間で退院時運動FIM effectiveness,Brunnstrom recovery Stage,在棟日数,リハビリテーション治療時間の比較を行い,さらにアウトブレイク群内でSARSCoV-2感染の有無でアウトカムの比較を行った.またアウトブレイクが退院時運動FIM effectiveness に与える影響について評価した.
【結果】アウトブレイク群30例(感染者18例,濃厚接触者12例),非アウトブレイク群33例.退院時運動FIM effectivenessはアウトブレイク群で有意に低く感染の有無でアウトカムに有意差はなかった.SARS-CoV-2感染で調整した上で院内アウトブレイクは退院時運動FIM effectivenessに有意に関連した.
【結論】院内COVID-19アウトブレイクは感染の有無に関わらず脳卒中後患者の回復期リハビリテーション治療における運動FIM effectivenessに影響を与える.
【キーワード】:COVID-19,隔離,院内感染,濃厚接触者,運動FIM effectiveness