藤井大輔,森沢知之,山本智史,松尾知洋,入羽恭平,前畑美幸,岩城弘和,岩田健太郎,齊藤正和,遠藤宗幹,高橋哲也
Jpn J Compr Rehabil Sci 15: 63-70, 2024
【目的】本研究では,急性期病院での治療後,回復期リハビリテーション病院(回復期病院)で心臓リハビリテーション(心リハ)を受けた心大血管疾患患者の実績指数が,40以上となる患者の特徴を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象は回復期病院2施設に心リハ目的で急性期病院から転院した心大血管疾患加療後の患者連続43名であった.回復期病院におけるリハビリテーション効果の指標である実績指数に基づき,患者を「高実績群」(実績指数40以上)と「低実績群」(実績指数40未満)の2群に分類し,2群の回復期病院入院時の患者特性を比較した.
【結果】高実績群は全体の62.8%であり,低実績群の患者と比較し回復期病院入院時の年齢が有意に若く,身体機能と運動耐容能が有意に高かった.また効果量測定の結果から, 回復期病院入院時のShort Physical Performance Battery(SPPB)は0.98,病前の基本チェックリストは0.93と大きな効果量を認め,実績指数獲得に特に関与していた.
【結論】回復期病院に入院した心大血管疾患患者において,回復期病院入院時のSPPBと病前の基本チェックリストが,実績指数40以上の獲得に関連する可能性が示唆された.
【キーワード】:回復期リハビリテーション病院,心大血管疾患,実績指数