Brief Report

AIにより回復期リハビリテーション病棟入院時に脳卒中患者の歩行自立を予測できるか

小野圭介,橋良輔,森田和幸,荒 洋輔,安部千秋,伊藤宗一朗,宇野奨吾,阿部正之,白坂智英
Jpn J Compr Rehabil Sci 15: 1-7, 2024

【目的】回復期脳卒中患者の退院時における歩行の自立可否に関して,AIによる予測分析ツールであるPrediction Oneを用いて予測モデルを作成し,その実用性を検討する.
【方法】回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者280名にて,入院時の心身機能情報をもとに,退院時の歩行自立可否の予測モデルをPrediction Oneを用いて作成した.また,別期間に入院した脳卒中患者134名にて,AIを活用した予測の結果と実際の結果をもとに正解率,感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率をそれぞれ算出し,精度確認を行った.
【結果】予測モデルの予測精度(AUC)は91.7%であった.精度確認では,正解率は79.9%,感度は95.7%,特異度は62.5%,陽性的中率は73.6%,陰性的中率は93.5%であった.
【結論】今回作成した予測モデルの精度は,先行研究に対して非劣性であり作業が簡便であることから実用性は高いと考えられる.

【キーワード】:AI,Prediction One,帰結予測,歩行,脳卒中

第15巻 目次