Original Article

開頭減圧術後の重症脳梗塞患者に対する頭蓋形成術のFIM効率への影響

新井伸征,阿部泰昌,目谷浩通,平岡 崇,花山耕三
Jpn J Compr Rehabil Sci 14: 33-38, 2023

【目的】開頭減圧術を施行された重症脳梗塞患者における,頭蓋形成術前後の回復期リハビリテーション病棟(回リハ)でのFunctional Independent Measure(FIM)の変化を観察し,頭蓋形成術が機能的にどのような影響を与えるのかを検討すること.
【方法】研究デザイン:単施設での後方視的コホート研究.
【結果】観察期間中に当院で脳梗塞後に開頭減圧術を施行された症例は,55例で,対象は6症例となった.頭蓋陥凹を認めた2症例は,頭蓋形成術直前の1か月のFIM変化が停滞していたが,頭蓋形成術直後1か月でFIMが再上昇した.その中でも運動項目の移動・移乗項目の上昇が大きかった.
【考察】開頭減圧術を施行された重症脳梗塞患者における回リハでの能力向上に頭蓋形成術は良い影響を与え,その中でも移動・移乗項目に大きく関与する可能性がある.

【キーワード】:開頭減圧術,重症脳梗塞,頭蓋形成術,FIM

第14巻 目次