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回復期リハビリテーション病棟における体成分分析装置を用いないサルコペニア診断の精度

菱川法和,沢田光思郎,庄野沙和,櫻井桃子,横関恵美,前田博士,大橋鈴世,上島圭一郎,三上靖夫
Jpn J Compr Rehabil Sci 14: 26-32, 2023

【目的】Asian Working Group for Sarcopenia 2019では,体成分分析装置を用いない方法で簡便にサルコペニア診断を行い,早期治療を推奨している.本研究では,体成分分析装置を用いない方法によるサルコペニア診断の精度を検証した.
【方法】85例の回復期リハビリテーション病棟に入院中の患者を対象とし,体成分分析装置を用いる方法と用いない方法でサルコペニア診断を行った.体成分分析装置を用いない方法によるサルコペニア診断の精度を明らかにするため,感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率を算出した.
【結果】感度は0.94,特異度は0.77,陽性的中率は0.86,陰性的中率は0.90であった.
【結論】体成分分析装置を用いない方法によるサルコペニア診断の精度は高かった.しかし,脂肪組織や浮腫のため下腿周囲長が大きくなる症例では,体成分分析装置を用いない方法においてサルコペニアと診断されない可能性がある.

【キーワード】:サルコペニア,AWGS2019,回復期リハビリテーション病棟,診断

第14巻 目次