秋元健太郎,浅野紳次郎,佐藤義文,横串算敏
Jpn J Compr Rehabil Sci 14: 10-15, 2023
【目的】回復期リハビリテーション病棟に入院した新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)患者の呼吸器症状とそれに関連する身体機能,精神機能がどのように変化し,更には罹患後症状として残存するかを明らかにすること.
【方法】2021年3月から同年9月までに,COVID-19で当院回復期リハビリテーション病棟へ転入院,自宅退院した中等症から重症の16例を対象として入院時,4週間経過時,退院時に呼吸器症状と身体機能,精神状態の評価を行った.
【結果】退院時までに呼吸器症状として息切れが改善し,身体機能である歩行距離も有意に改善したが,不安や抑うつが残存した.
【結論】回復期リハビリテーション病棟においてCOVID-19中等症,重症例患者は多くが自宅退院可能であるが身体機能,精神機能は回復が不十分である.また退院時でも罹患後症状が残存していることも明らかとなった.
【キーワード】:新型コロナウイルス感染症,中等症・重症,回復期リハビリテーション,呼吸器症状,精神状態