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回復期脳卒中高齢者における退院時のポリファーマシーと栄養摂取量,筋力および日常生活動作との関連

松本彩加,吉村芳弘,嶋津さゆり,長野文彦,備瀬隆広,木戸善文,白石 愛,砂原貴子
Jpn J Compr Rehabil Sci 13: 41-48, 2022

【目的】回復期脳卒中高齢者における退院時のポリファーマシーと栄養摂取量,筋力,日常生活動作との関連を検証する.
【方法】回復期リハビリテーション病棟に入院した65歳以上の脳卒中患者を対象とした横断研究を行った.ポリファーマシーは退院時の処方薬剤数が6剤以上と定義した.アウトカムは退院時のエネルギー摂取量,たんぱく質摂取量, 握力,Functional Independence Measure の運動項目(FIM運動項目合計)とした.多重回帰分析を用いて,退院時ポリファーマシーとアウトカムとの関連を検証した.
【結果】対象患者361名(平均年齢78.3±7.7歳,男性49.3%)のうち,62.9%にポリファーマシーを認めた.多重回帰分析の結果,ポリファーマシーはエネルギー摂取量(β=−0.122,p=0.003),たんぱく質摂取量(β=−0.133,p=0.013),握力(β=−0.070,p=0.022),FIM運動項目合計(β=−0.069,p=0.031)と負に関連した.
【結論】リハビリテーション患者の栄養管理を支持し,リハビリテーションのアウトカムを最大化するために,ポリファーマシーにも注意する必要がある.

【キーワード】:ポリファーマシー,リハ薬剤,脳卒中,栄養管理

第13巻 目次