村田昇平,小池康晴,粕川雄司,斉藤公男,岡田幸樹,工藤大輔,島田洋一,宮腰尚久
Jpn J Compr Rehabil Sci 13: 26-30, 2022
【目的】本研究の目的は,脳卒中患者の上肢機能に対する対側制御による機能的電気刺激(CCFES)の即時効果を検討することである.
【方法】発症から4週以降の脳卒中患者13例を対象として,CCFES,ついでミラーセラピー(MT)による訓練を施行した.それぞれのリハビリテーション訓練は24時間以上の十分な間隔をあけて行った.治療前,それぞれの訓練直後に,握力,Fugl-Meyer Assessment(FMA)の上肢運動機能(FMA-UE)とFMA-UEの肩/肘/前腕,手関節,手指,協調性の各項目を評価した.
【結果】握力,FMA-UEおよびFMA-UEの肩/肘/前腕,手関節,協調性の各項目は,治療前に比べCCFES後およびMT後で有意差はなかった.FMA-UE手指は,治療前に比べ,MT後では有意な変化はなかったが,CCFES後では有意に改善した(p=0.013).
【結論】上肢に対するCCFESは手指機能を即時的に改善させ,患者のリハビリテーション治療に対する意欲の維持や向上に有効な効果をもたらすことが期待できる.
【キーワード】:脳卒中,機能的電気刺激,対側制御,即時効果,手指機能