大石佳奈,西岡心大,岡﨑裕香,平川 梢,中村美百花,一ノ瀬愛,栗原正紀
Jpn J Compr Rehabil Sci 13: 17-25, 2022
【目的】回復期リハビリテーション病棟入院患者の口腔衛生・機能の改善と退院時ADLとの関連を検討する.
【方法】入院時Revised Oral Assessment Guide(ROAG)13点以上(重度口腔問題あり)の脳卒中患者が対象.年齢,性別,主疾患,リハビリテーション実施単位数,
歯科受診と義歯有無,Eichner分類,入退院時摂食状況レベル,入院時BMIを調査した.対象者を退院時ROAG8点未満の群(良好群)と9点以上の群(非良好群)に分類し,Functional Independence Measure(FIM)利得とFIM退院時合計点を単変量,多変量解析を用いて比較検討した.
【結果】良好群126名,非良好群366名であった.良好群は非良好群と比較し退院時FIM合計点数,FIM効率,FIM利得が有意に高かった(112 vs 82,P<0.001).退院時ROAG非良好状態はFIM利得(偏回帰係数=-9.889,95%信頼区間-13.499~- 6.279)および退院時FIM合計点に対して独立した関連を認めた.
【結論】回復期脳卒中患者における口腔衛生・機能の改善と退院時ADLは関連していた.
【キーワード】:回復期リハビリテーション病棟,脳卒中,口腔状態,退院時ADL