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脳出血に対する外科的治療の違いが回復期の機能予後に及ぼす影響

池尻道玄,山本育実,伊原 直,光安達仁,白瀧敦子,入江暢幸
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 9-14, 2021

【目的】脳出血に対する手術法の違いが回復期リハビリテーション病棟退院時の機能予後へ影響を与えるか検討した.
【方法】対象は初発の高血圧性脳出血患者100名.術式は開頭血腫除去術52名,内視鏡下血腫除去術31名で2群のFunctional Independence Measure(以下, FIM),在院日数,自宅退院率を後方視的に検討した.
【結果】手術から回復期病院入院までの期間は内視鏡下血腫除去術群が有意に短かった.退院時の機能予後には有意な差はなかったが内視鏡下血腫除去術は開頭血腫除去術と比較し,手術侵襲が少ないなどの理由から術後早期に回復期病院へ転院できるためFIM利得の向上,在院日数の短縮,自宅退院率の上昇に寄与する可能性がある.
【結論】内視鏡下血種除去術は開頭血種除去術に比べ,回復期病院入院までの期間が短かったが,手術法の違いは機能予後の違いを生むとはいえなかった.

【キーワード】:回復期リハビリテーション,機能予後,開頭血腫除去術,内視鏡下血腫除去術

第12巻 目次