Case Report

回復期リハビリテーション治療によりADL・運動耐容能が改善した大腿神経麻痺を合併した重症COVID-19:症例報告

屋城俊洋,和田義敬,杉山みづき,楯野英胤,笠井史人,川手信行
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 53-57, 2021

【はじめに】Coronavirus disease 2019(COVID-19)に 対するリハビリテーションの報告はあるが,重症例の回復期リハビリテーションやVV-ECMO後の大腿神経麻痺の併発の報告はほとんどない.
【症例】50 代男性.COVID-19 に対する治療過程でVV-ECMO管理が行われ,腸腰筋血腫による大腿神経麻痺を併発した.第120病日よりADL改善・運動耐容能改善を目的とした運動療法,ADL 訓練,呼吸リハビリテーションを中心とした回復期リハビリテーションを行い,呼吸機能,FIM,6分間歩行テストが改善した.第196病日に自宅退院した.以降も,増悪なく経過している.
【考察】重症COVID-19のADL・運動耐容能低下に対して,呼吸リハビリテーションを中心とした回復期リハビリテーションは改善に寄与した.また,VVECMO後の大腿神経麻痺には注意が必要である.

【キーワード】:COVID-19,VV-ECMO,大腿神経麻痺,運動耐容能,回復期リハビリテーション

第12巻 目次