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脳卒中片麻痺患者が立ち上がるために必要な身体機能に関する予備的調査

高橋純平
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 4-8, 2021

【目的】脳卒中片麻痺患者において,椅子からの立ち上がり動作が可能となるにはどのような身体機能が必要となるかを明らかにすることである.
【方法】脳卒中片麻痺患者15名を対象に,立ち上がり動作の中で難易度の低い手すりを引いて立ち上がるPull法の可否による群分けを行い,運動麻痺,脳卒中機能評価表(SIAS)による評価,非麻痺側筋力を測定し,群間比較を行った.
【結果】Pull 法による立ち上がり動作が可能だった群は,不可能だった群と比較し,運動麻痺の程度が軽く,非麻痺側上肢筋力が高く,麻痺側の足関節背屈角度が大きかった.
【結論】脳卒中片麻痺患者が一定条件下で,椅子からの立ち上がり動作が可能となるには,身体機能面に着目すると,麻痺側下肢の機能および非麻痺側上肢筋力を有することにより,立ち上がりに必要な身体を上方にもっていく能力を獲得できるようになる.

【キーワード】:脳卒中,立ち上がり動作,身体機能

第12巻 目次