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回復期リハビリテーション病棟入院患者に対するエンパワーメント尺度の開発
―妥当性・信頼性の検証とFIMとの相違の検証―

弓川大地,佐藤 満,亀田修孝
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 38-47, 2021

【目的】回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期)では日常生活動作の改善と共に,主体性の獲得が支援される.自ら問題を解決する能力の獲得はエンパワーメントと呼ばれ,退院後の生活で重要である.本研究は回復期用エンパワーメント尺度を開発し,妥当性・信頼性を検証した.
【方法】国内外の先行研究から回復期に沿う項目を抜粋し,尺度を開発した.回復期入院患者159名に尺度の項目分析,妥当性・信頼性の検証,FIMとの相関分析を行った.
【結果】3項目で回答の偏りを認めたが,因子モデルの適合度指標のRMSEAは0.083,下位尺度‐総得点の相関は0.61〜0.83と良好な値を得て,一定の妥当性が確認された.併存的妥当性,信頼性も概ね良好で,総得点の再検査信頼性は級内相関係数で0.93であった.FIMとは相関を認めなかった.
【結論】開発した尺度は一定の妥当性・信頼性を有し,FIMと異なる成果指標になり得る.

【キーワード】:エンパワーメント,主体性,問題解決能力,回復期リハビリテーション病棟,退院後の生活

第12巻 目次