椿原彰夫,紙上真徳,伊藤智崇,岸本智也,黒住千春
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 27-31, 2021
【目的】高頻度磁気刺激装置を用いて強い筋収縮を起こさせるための最適刺激部位および方法を特定すること.
【方法】健康成人8 名の右側外側広筋に,耐えられる痛みの範囲で最大強度の高頻度磁気刺激を行った.刺激部位は膝蓋骨底外側端と大腿遠位3分の1の点(D点)の間(区間A)とD点と大腿近位3分の1の点(P点)の間(区間B)で,両者の最大筋収縮力を比較した.
【結果】刺激性最大筋収縮力は,区間Aよりも区間Bにおいて有意に大きかった.また,最適刺激部位は,区間AではD点の近傍,区間BではD点とP点の中央部の狭い領域に集まっていた.痛みは,両点ともに非常に少なかった.
【結論】外側広筋への磁気刺激の最適刺激部位は,大腿中央部に集まり,近位浅小枝に加えて近位深小枝,あるいは高密度に集合する深部の運動神経終末も刺激された可能性がある.また,プローブを移動させて,もっとも強い筋収縮力が得られる点を探索することが有用と知られた.
【キーワード】:高頻度磁気刺激,筋収縮力,筋力増強,大腿四頭筋,運動点