冨田 憲,谷野元一,園田 茂,平野 哲,伊藤慎英,才藤栄一,加賀谷斉,鈴木 享,川上健司,宮島拓実,高井美咲
Jpn J Compr Rehabil Sci 12: 19-26, 2021
【目的】歩行能力評価法Gait Ability Assessment for hemiplegics(GAA)の作成と妥当性,検者間信頼性を検証すること.
【方法】新たな歩行能力評価であるGAAを考案した.次に,脳卒中患者を対象とし,2名の理学療法士によるGAAの検者間信頼を検討した.次に,既存の評価法である Functional Ambulation Categories(FAC),Functional Independence Measure(FIM)歩行,最大歩行速度,FIM運動項目合計点,Stroke Impairment
Assessment Set(SIAS)の麻痺側運動機能の合計点(以下,SIAS-L/E),とGAAとの妥当性を検証した.
【結果】GAAの検者間信頼性は,κ係数が0.76,weighted κ係数は0.96 であった.GAAとの相関係数は,FACが0.95,FIM歩行が0.95,最大歩行速度が0.82,FIM運動項目合計点が0.89,SIAS-L/E が0.61であり,いずれも有意な相関を認めた(p<0.01).
【結論】GAAは高い検者間信頼性と歩行能力評価法としての妥当性を有しており,研究や臨床で応用できることが示唆された.
【キーワード】:脳卒中,Gait Ability Assessment for hemiplegics(GAA),検者間信頼性,妥当性