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緩和ケアチームにおける作業療法士の役割―他職種から期待されるリハビリテーション職種の役割の差異より―

池知良昭, 井上桂子, 石丸昌彦
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 98-101, 2020

【目的】緩和ケアチーム(Palliative care team: PCT) におけるリハビリテーション職種(以下,リハ職種)の 役割の差異から作業療法(Occupational Therapy: OT) の役割を明らかにすること.
【方法】がん診療連携拠点病院のPCT代表者とOT部門責任者に対し質問紙調査を実施した.
【結果】PCTに所属するOTRは40%と少なく,他職種から期待される各リハ職種の役割の差異は明らかにならなかった.PCTにおけるOTRの役割について,精神的苦痛への支援,患者の意思決定の支援,家族ケアはOT部門責任者のほうが有意に高く,療養場所の選択・移行支援や在宅療養患者のケアはPCT代表者のほうが有意に高かった.
【結論】今後,OTのみならずPCTにおける各リハ職種の役割を明示していく必要がある.OTRは自らの強みを生かし,他職種から求められている役割に着眼し患者と関わっていく必要がある.

【キーワード】緩和ケアチーム,リハビリテーション,作業療法,役割

第11巻 目次