田中元規,小口和代,酒井元生,後藤進一郎,星野高志,井野竜一,片渕梨予,浅井なぎさ,津志歩,内藤恋緒奈,薗田鈴菜
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 78-84, 2020
【目的】自主トレーニング(以下,自主トレ)指導書作成システム(以下,「パットレ!」)を活用した2症例について報告する.
【方法】自主トレメニューを各患者に合わせて紙面にまとめたもの(以下,指導書)を「パットレ!」を活用して作成した.指導書は時期に応じて更新し,作成所要時間を計測した.自主トレ記録表への記載は患者自身が行い,療法士が実施状況を確認した.退院前に患者満足度・自己効力感に関するアンケートを行った.また,同様の内容を「パットレ!」を活用せずに指導書を作成した群にも実施した.
【結果】指導書の平均作成所要時間が短縮した.症例1は患者満足度・自己効力感ともに良好だったが,症例2は自己効力感が高まりにくかった.自主トレ実施率は症例1は100%,症例2は85%だった.
【結論】「パットレ!」を効果的に活用することは,自主トレ指導の質を高め,実施・継続の一助となる.指導書の時期に応じた変更や効果を実感できるようなフィードバックが患者満足度や自己効力感を高めると考えられた.
【キーワード】自主トレ,指導書,患者満足度,自己効力感,システム