徳永 誠, 山永裕明
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 65-72, 2020
【目的】退院時mFIMを予測する重回帰分析において4つの手法の予測精度を比較する.
【方法】回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者1,064例を対象にした.退院時mFIMを目的変数とした通常の重回帰分析(S予測),入院時mFIMの逆数を説明変数とした重回帰分析(R予測),mFIM effectivenessを重回帰分析で予測して退院時
mFIMに変換する手法(E予測),2つの重回帰予測式を作る手法(S2予測)について,退院時mFIMの残差(実測値−予測値)の絶対値を比較した.
【結果】S予測よりもR予測・E予測・S2予測において残差の絶対値が有意に小さく,R予測よりもE予測・S2予測において残差の絶対値が有意に小さかった.
【結論】重回帰分析では, 予測精度の高い「FIM
effectivenessを変換した予測(E予測)」あるいは「2つの予測式を作る予測(S2予測)」を用いることが望まれる.
【キーワード】重回帰分析, 予測精度, 逆数,FIM effectiveness,複数の予測式