藤田貴昭,大橋拓朗,山根和広,山本優一,曽根稔雅,大平葉子,大槻剛智,五百川和明
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 28-34, 2020
【目的】人工ニューラルネットワークを用いて脳卒中患者の更衣の自立可否の予測モデルを作成する際に,有用なモデルが作成できるサンプル数の下限の目安を調べること.
【方法】脳卒中患者121名から無作為抽出を繰り返し120名,100名,80名,60名,40名の5つのデー
タセットを作成した.それぞれのデータセットで回復期リハ病棟入院時の変数から入院1か月後の更衣自立可否を予測するモデルを人工ニューラルネットワークとロジスティック回帰で作成し,両モデルの精度を比較した.
【結果】120名,100名,80名のデータセットでは,人工ニューラルネットワークモデルの精度がロジスティック回帰モデルと比較して有意に高かった.一方,
60名と40名のデータセットでは両モデルの精度に差は認められなかった.
【結論】人工ニューラルネットワークで有用な更衣自立予測モデルが作成できる下限サンプル数は80程度であることが示唆された.
【キーワード】脳卒中,予後予測,日常生活活動