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兵頭スコアを用いた摂食嚥下障害重症度と推奨飲食形態の予測

喜久村かおり,加賀谷斉,柴田斉子,松尾浩一郎,戸田芙美,小川真央,伊藤友倫子,尾関 恩,大高洋平
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 109-115, 2020

【目的】兵頭スコアを用いて摂食嚥下障害の重症度や推奨食形態,水分形態が予測可能かどうかを後方視的観察研究により明らかにすること.
【方法】当院で摂食嚥下障害が疑われた741例を対象とした.年齢は中央値77歳,主病名は呼吸器疾患,脳血管疾患が多かった.嚥下内視鏡検査の結果から,兵頭スコア,嚥下障害の重症度,推奨飲食形態を決定した.嚥下障害の重症度はDysphagia Severity Scale(DSS)で評価した.推奨食形態は主食は7通り,副食は8通り,推奨水分は6通りからの選択とした.
【結果】DSS,兵頭スコアともに中央値は4であった.順序ロジスティック解析の結果,兵頭スコアは安静時,トータルスコアともに,DSS,推奨された主食,副食,水分に有意に関連する因子であった(p<0.001).
【結論】摂食嚥下障害の重症度や推奨食形態,水分形態の予測に兵頭スコアは有用であった.

【キーワード】摂食嚥下障害,嚥下内視鏡検査,兵頭スコア,Dysphagia Severity Scale

第11巻 目次