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脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟退院時運動FIMを予測する重回帰分析において用いるべき説明変数―入院時運動FIMが40点未満の患者における調査―

徳永 誠,三宮克彦
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 102-108, 2020

【目的】重症脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟入院中の運動Functional Independence Measure(FIM)改善を予測する重回帰分析で用いるべき説明変数を明らかにする.
【方法】入院時運動FIMが40点未満の脳卒中患者230例を対象にした.17要因を層別化し群間で運動FIM effectivenessに有意差のあった要因を,退院時運動FIMを目的変数とした変数選択重回帰分析に投入した.
【結果】有意差があったのは12個,有効な説明変数として選択されたのは,年齢,入院時認知FIM,入院時運動FIM, 発症から入院までの日数, 発症前modified Rankin Scale,麻痺側下肢のBrunnstromステージ,body mass index,座位安定性,Japan Coma Scale,半側空間無視の10個であった.
【結論】この10個を重回帰分析の説明変数として用いることが望まれる.

【キーワード】脳卒中,重回帰分析,FIM改善,用いるべき説明変数のセット,入院時低FIM患者

第11巻 目次