原著

ICFリハビリテーションセットの入院リハビリテーションにおける適用可能性:回復期リハビリテーション病棟入院患者に適用可能な項目セットの作成とその妥当性の検討

舟橋怜佑,向野雅彦,大高洋平,千手祐樹,米田千賀子,尾関保則,清水康裕,小池知治,才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 11: 1-8, 2020

【目的】回復期リハビリテーション病棟入院中の患者に対するICFリハビリテーションセットの適用可能性について評価を実施する.
【方法】回復期リハビリテーション病棟入院患者295例を対象に,ICFリハビリテーションセットを用いた採点を行い,欠測値の割合を調査した.さらに欠測値が10%未満の項目を選択し,Rasch分析を用いて内的構成概念妥当性を検討した.
【結果】欠測値は25の項目で検出され,そのうち7つの項目で欠測値が10%以上であった.天井効果および床効果は観察されなかった.欠測値が10%未満であった23項目の評価点を用いて行ったRasch分析ではモデルへの良好な適合が得られ,ICFリハビリテーションセットの内的構成概念妥当性を支持する結果となった.
【結論】本研究の結果により,ICFリハビリテーションセットのうち入院リハビリテーション患者において適用可能な項目とその評価としての妥当性が示された.

【キーワード】ICF,ICFリハビリテーションセット,Rasch分析,回復期リハビリテーション

第11巻 目次