久保田勝徳,玉利 誠,早川龍之介,脇坂成重,遠藤正英,丸山仁司
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 96-102, 2019
【目的】脳卒中片麻痺患者の皮質網様体脊髄線維(corticoreticular pathway:CRP)をProbabilistic
tractography にて描出し,CRPの損傷程度と体幹機能との関係について明らかにすることを目的とした.
【方法】回復期脳卒中片麻痺患者17名のCRPをProbabilistic tractographyにて描出し,CRPの損傷なし群と損傷あり群のTrunk Control Test(TCT),臨床的体幹機能検査(Functional Assessment for Control of
Trunk:FACT)を比較した.
【結果】CRPの損傷なし群と損傷あり群において,TCTおよびFACTの得点のすべてにおいて有意差は認められなかった.
【結論】大脳半球において皮質脊髄線維の損傷が認められない場合,TCTおよびFACTはCRPの損傷に伴う運動効率や抗重力伸展活動の低下といった体幹機能の質的側面を反映しない可能性が考えられた.
【キーワード】Probabilistic tractography,皮質網様体線維,体幹機能,脳卒中片麻痺患者,回復期