布施郁子,平野 哲,才藤栄一,大高洋平,田辺茂雄,加藤正樹,後藤豪志,角皆 翔,熊谷綾華,角田哲也,小山総市朗
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 88-95, 2019
【目的】頸髄損傷者にWearable Power-Assist Locomotor(WPAL)を使用し,歩行能力を装具使用時と比較した.
【方法】頸髄損傷者5名に装具またはWPALを装着し歩行を行わせ,Functional Ambulation Categories(FAC),連続歩行時間・距離,3分間歩行における自覚的運動強度,上肢疲労度およびPhysiological Cost Index(PCI)を評価した.装具とWPAL条件間にて各指標を比較した.
【結果】5名中3名でWPAL使用時のFACは装具歩行時よりも高く,2名は同値だった.また,3名で歩行が自立した.連続歩行距離はWPAL使用時に装具使用時よりも有意に長かった(p<0.05).歩行速度・ストライド・ケイデンスは全例WPALで高く,PCI は全例WPALで低かった.
【結論】WPALは装具に比較して頸髄損傷者の歩行再建に有用である.
【キーワード】頸髄損傷,四肢麻痺,ロボット,装具,歩行再建