原著

一口嚥下,連続嚥下,咀嚼嚥下における喉頭侵入と誤嚥リスクの検討

小川真央, 加賀谷斉, 尾関 恩, 喜久村かおり, 柴田斉子, 才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 77-81, 2019

【目的】一口嚥下,連続嚥下,咀嚼嚥下の喉頭侵入, 誤嚥のリスクを比較すること.
【方法】2011年1月から2016年5月に嚥下造影検査において液体10 mLの一口嚥下(LQ10),液体コップ30 gの連続嚥下(CUP30),液体5 mLとコンビーフ4 gの混合物の咀嚼嚥下(MX)の3試行を座位かつ代償手技なしに行った136例の喉頭侵入,誤嚥の有無を評価した.それぞれの難易度はMcNemar検定で,Penetration-Aspiration Scale (P-A Scale)はSpearmanの順位相関係数を用いて検討した.
【結果】喉頭侵入はLQ10で73例,MXで62例, CUP30で97例認め,CUP30ではLQ10よりも(p< 0.001),またMXよりも(p<0.001)有意に多く認めた.誤嚥はLQ10で8例,MXで14例,CUP30で20例認め,CUP30ではLQ10 よりも有意に多く認めた(p=0.009).P-A Scaleの相関係数はLQ10とCUP30ではρ=0.370(p<0.001)と有意であったがMXとCUP30はρ=0.100(p=0.312),LQ10とMXではρ=−0.202(p=0.055)と有意ではなかった.
【結論】喉頭侵入の頻度はCUP30,LQ10,MXの順に高く,誤嚥の頻度はCUP30,MX,LQ10の順に高かった.MX のP-A ScaleはLQ,CUP30のそれとは有意な相関がみられなかった.

【キーワード】一口嚥下,連続嚥下,咀嚼嚥下,喉頭侵入,誤嚥

第10巻 目次