和田義敬, 園田 茂, 岡本さやか, 渡邉 誠, 岡崎英人, 奥山夕子
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 71-76, 2019
【目的】回復期リハビリテーション病棟入院脳卒中患者の重回帰分析によるADL帰結予測重回帰式の精度を比較した.
【方法】当院回復期リハビリテーション病棟を入退院した脳卒中患者1,502例を予測式を作成する作成群と予測精度を確認する検証群の2群に分けた.作成群で退院時mFIMが従属変数の重回帰分析の予測式(S予測式),Reciprocal重回帰分析の予測式(R予測式),mFIM effectivenessが従属変数の重回帰分析から退院時mFIM を求める式(E予測式)を作成した.検証群で退院時mFIMの予測値を算出し,実測値と予測値の級内相関係数・実測値から予測値を引いた残差の絶対値を比較した.
【結果】級内相関係数はS予測式 0.86,R予測式 0.90,
E予測式 0.89であった.残差の絶対値はS予測式 9.38±
6.62,R予測式 7.30±6.56,E予測式 7.56±6.45 であった.Steel-Dwass 検定でS予測式とR予測式,S予測式とE予測式間で有意差(p<0.05)を認めた.
【結論】重回帰分析によるADL帰結予測式ではモデルを線形に近づける変換を加えることで予測精度を高められた.
【キーワード】脳卒中,リハビリテーション,重回帰分析,帰結予測,FIM