原著

体圧分布測定機器を用いた急性期脳卒中者における端座位時の殿部圧と足底部圧の特徴

仁藤有美子, 椿野幸子, 鈴木絵莉, 佐藤寿晃
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 60-64, 2019

【目的】急性期脳卒中者を対象に,体圧分布測定機器を用いてトイレ動作の自立群と非自立群の端座位時のそれぞれの殿部圧と足底部圧の特徴を調査した.
【対象と方法】対象は急性期脳卒中者30名であった.トイレの自立群と非自立群はBIを用いて分類した.測定と調査の各項目は端座位時の麻痺側,非麻痺側のそれぞれの殿部圧と足底部圧およびBrs,BIであった.
【結果】非麻痺側と麻痺側の座圧差は,トイレ自立群と非自立群ではそれぞれ4±2%,19±8%で,トイレ自立群の方が有意に低値であった.トイレ自立群の目安として非麻痺側と麻痺側の座圧差は10%以内であった.BIおよびBrsはトイレ自立群の方が有意に高値であった.
【結論】体圧分布測定機器を用いて急性期脳卒中者における端坐位時の殿部圧と足底部圧が可視化でき,その有効性を確認した.急性期脳卒中者におけるトイレ自立群の指標として非麻痺側と麻痺側の座圧差は10%以内であることが分かった.

【キーワード】急性期脳卒中者,殿部圧と足底部圧,トイレ動作

第10巻 目次