谷川広樹, 平野 哲, 田辺茂雄, 布施郁子, 大塚 圭, 向野雅彦, 渡邊家泰, 加藤大典, 宇野秋人, 加賀谷斉, 才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 21-28, 2019
【目的】片麻痺患者においてトレッドミル歩行中の手すりの使用が歩容に及ぼす影響を明らかにし,作製したトレッドミル歩行練習用の杖の効果を検証すること.
【方法】支柱が前後左右に可動する多点杖を一般構造用圧延鋼材に固定し,トレッドミル歩行練習用の杖を作製した.片麻痺患者5名に手すりなし,作製した杖,手すり使用にてトレッドミル上を歩行させ,三次元歩行分析により各歩容を比較した.
【結果】両側の歩幅,麻痺側単脚支持時間は手すりなし,杖,手すりありの順に有意に延長した.異常歩行パターンの程度を定量的に示す指標値には有意差は認めなかったが,同様の順に指標値が増加する傾向であった.
【考察】手すりは麻痺側の立脚と遊脚を補助し,代償動作を行いやすくすると考えられた.作製した杖を使用することで手すりなし/ありの間の難易度課題を設定することができる可能性が示された.
【キーワード】片麻痺,トレッドミル,手すり,杖,運動学習