長友広一, 新井秀宜, 甲村勇希
Jpn J Compr Rehabil Sci 10: 103-107, 2019
【序論】回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟に入院した人工呼吸器管理の重症ギラン‐バレー症候群(Guillain-Barre syndrome: GBS)患者に歩行訓練中心のリハを行い,人工呼吸器管理から離脱できたので報告する.
【症例】患者は49歳の女性であった.下痢を発症した7日後に呼吸困難,歩行不能になり,急性期病院に入院した.呼吸筋麻痺,四肢麻痺,外転神経麻痺,
顔面神経麻痺でGBS疑いと診断された.同日,侵襲的人工呼吸器管理で別の急性期病院に転院した.軸索障害型GBSと診断されて治療を受けた後,入院54日目に当院回復期リハ病棟に転院した.対麻痺者用内側型股継手付き体幹装具付き両長下肢装具を使用した歩行訓練を中心にリハを行った結果,当院入院125
日目に人工呼吸器から完全離脱できた.
【考察】歩行訓練で十分な運動負荷をかけたことで本患者の換気量が増加し,人工呼吸器から離脱できた可能性が高い.人工呼吸器管理の患者であっても,運動療法を積極的に実施すべきである.
【キーワード】ギラン‐バレー症候群,回復期リハビリテーション,人工呼吸器,歩行訓練,対麻痺者用内側型股継手付き体幹装具付き両長下肢装具