佐藤宏樹, 國安勝司, 小原謙一, 岡田有司, 河島隆貴, 篠永篤志, 山本五弥子, 安永 雅, 花山耕三
Jpn J Compr Rehabil Sci 9: 66-72, 2018
【目的】本研究は,超音波画像診断法を用いた大腿直筋の筋横断面積と筋輝度の測定精度を検証し,その測定方法を確立することを目的とした.
【方法】検査者3名が健常男性16名を対象に,超音波画像診断法を用いて,大腿直筋の筋横断面積と筋輝度を測定した.級内相関係数(ICC)を用いて検者内と検者間信頼性を評価し,Bland-Altman(B-A)分析を用いて系統誤差の確認と最小可検変化量を測定した.
【結果】筋横断面積と筋輝度のICCは,検査者内,検査者間のICCは筋横断面積が0.9以上,筋輝度が0.7以上であった. B-A分析の結果では,各測定における系統誤差は存在せず,最小可検変化は,筋横断面積が検査者内0.39 cm2,検査者間0.15 cm2,筋輝度が検査者内6.77,検査者間4.47であった.
【考察】本測定方法を用いることで高い評価精度で大腿直筋の筋横断面積と筋輝度を測定可能であると考えられた.また,最小可検変化量より大きな変化は,真の変化として臨床上の効果判定に使用することが可能である.
【キーワード】超音波画像評価,大腿直筋,筋輝度,筋横断面積,測定精度