原著

高齢者施設における食事介助の実態と職員属性による入居者確認頻度

倉本尚美, 鈴木健嗣, 渡辺 忍, 日高紀久江
Jpn J Compr Rehabil Sci 9: 34-42, 2018

【目的】高齢者施設で食事介助に携わる職員の基本属性や食事介助の現状を明らかにするとともに,職員による食事介助の講義受講や属性から,食事介助前後の入居者確認頻度に差があるか考察する。
【方法】関東A県1保険医療圏内の介護保険施設(18施設)で食事介助を行う職員に対し質問紙調査を実施した。調査表において職員属性や食事介助状況に加え,入居者一般状況と食事介助前後での職員による入居者確認頻度を調査した。
【結果】695通の調査表を配布し493通が返却された(回収率70.9%)。職員は女性(70.9%),介護の資格保持者が多く(78.7%),多数の職員(74.4%)が食事介助に不安感を持っていた。食事介助の講義受講経験,看護職と介護職,また介護職の性別で食事介助前後における入居者確認頻度に差が生じていた。
【結論】職員に対し,安心して食事介助を行うための心理的サポートや,資格や特徴を考慮した上での食事介助の講義提供が求められる。

【キーワード】高齢者施設,食事介助,摂食嚥下,高齢者,介護

第9巻 目次