西岡心大, 菅原英和, 山仁子, 漆原真姫, 渡邉美鈴, 桐谷裕美子, 新谷恵子, 中込弘美, 影山典子, 岡本隆嗣, 角田 賢, 藤田正明, 橋本茂樹, 石川 誠, 対馬栄輝, 小川 彰
Jpn J Compr Rehabil Sci 9: 3-10, 2018
【目的】低体重脳卒中患者における栄養モニタリング頻度と体重増加,日常生活動作(ADL)改善との関連を検証する.
【方法】本邦回復期リハビリテーション(リハ)病棟5か所で実施された二つの“Algorithm for Post-stroke
Patients to improve oral intake Level(APPLE)”study に含まれる経管栄養脳卒中症例のデータを統合し解析した.組入基準は->40歳,body mass index(BMI)が日本人の食事摂取基準参照値未満とした.対象施設のうち管理栄養士の栄養モニタリング頻度が週1回だった2施設(WM 群)と月1回の3施設(MM 群)においてBMI増加,退院時Functional Independence
Measure(FIM)を比較した.
【結果】対象者はWM群37名(女性18名,平均77歳),MM群29名(女性19名,平均78歳).入院時BMI,FIM,嚥下機能等に有意差は認めず.WM群はMM群より入院中のBMI増加が大きく(+0.2 vs.−0.5,
p=0.009),三食経口移行割合が高かった(81.1% vs.
44.8%, p=0.002).多変量解析ではWM群はBMI変化と退院時FIMの独立した説明因子となった.
【結論】週1回栄養モニタリングはBMI増加とADL向上に関連する可能性が示唆された.
【キーワード】回復期リハビリテーション病棟,経管栄養,脳卒中,低栄養,栄養モニタリング