原著

とろみ調整食品に増粘剤として添加されているキサンタンガムが速崩壊性錠剤の崩壊に及ぼす影響

富田 隆, 福井嵩浩, 鷹觜彩香, 後藤英和, 吉田 正, 住谷賢治, 幸田幸直, 工藤賢三
Jpn J Compr Rehabil Sci 9: 22-28, 2018

【目的】とろみ調整食品に増粘剤として添加されているキサンタンガム(XTG)が速崩壊性錠剤の崩壊性に及ぼす影響を検討した.
【方法】XTGは0.2,0.4,0.6および0.8%(w/v)の水溶液(XTG-Sol)に調製し,速崩壊性錠剤は酸化マグネシウム錠(M錠)を使用した.XTG-Sol に1,5および10分間浸漬させたM錠を崩壊試験(精製水)に供した.
【結果】0.6% XTG-Sol,0.8% XTG-Solに浸漬させたM錠の崩壊時間は,浸漬時間の延長に従って遅延した.0.2% XTG-Solでは,すべてXTG-Sol中で崩壊した.0.4% XTG-Solでは,浸漬時間が5,10分間の場合,XTG-Sol中で崩壊した.
【結論】XTGそのものがその濃度と浸漬時間に依存して,速崩壊性錠剤の崩壊性に影響を及ぼすことが明らかになった.よって,錠剤服用時におけるXTGを含有するとろみ調整食品の使用には,十分な注意を払う必要がある.

【キーワード】キサンタンガム,とろみ調整食品,酸化マグネシウム錠,速崩壊性錠剤,崩壊試験

第9巻 目次