藤高祐太, 田中直次郎, 中臺久恵, 佐藤梨央, 渡邉光子, 影山典子, 岡本隆嗣
Jpn J Compr Rehabil Sci 8: 98-103, 2017
【目的】回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者における栄養状態と年齢を層別化してFunctional Independence Measure(FIM)改善割合の相違を調査することである.
【方法】対象は2013年5月から2015年2月に当院回復期リハビリテーション病棟に入院した60歳以上の脳卒中患者とした. 入院時のMini Nutritional
Assessment-Short Form(MNA-SF)が7点以下のものを栄養不良群,8点以上のものを栄養良好群とし,各群を年齢で60歳台,70歳台,80歳以上に層別化し6群に分けた.FIM改善割合の指標としてFIM
effectivenessを算出し,各群で多重比較を行った.
【結果】FIM effectivenessは栄養良好群では年齢別による差が認められなかったが,栄養不良群では80歳以上は60 歳台,70歳台と比較して有意に低かった.
【結論】栄養不良患者は高齢であるほどFIM改善割合が低くなっていた.効率的なリハビリテーションを行うには,高齢であるほど栄養状態を考慮しながらプログラムを立案する必要があると示唆された.
【キーワード】回復期リハビリテーション病棟,脳卒中,栄養状態,年齢別,FIM改善割合