原著

脳卒中片麻痺患者に対する歩行練習アシスト(GEAR)の有効性の検討

平野 哲, 加賀谷斉, 才藤栄一, 園田 茂, 田辺茂雄, 加藤正樹, 山田純也, 谷野元一, 鈴木 享, 伊藤慎英
Jpn J Compr Rehabil Sci 8: 71-76, 2017

【目的】亜急性期脳卒中片麻痺患者に歩行練習アシス ト(GEAR)を用いた歩行訓練を行い,装具歩行訓練群よりも歩行自立度が早期に改善するか検討する.
【対象と方法】初発テント上脳内出血または脳梗塞による片麻痺患者で,発症60日以内,年齢20〜75歳, Functional Independence Measure歩行≦3,Stroke Impairment Assessment Set下肢運動項目合計点≦6,長下肢装具使用などの条件を満たす者6名を対象とした.1日40分のGEAR使用を含めて,1日最大3時間のリハビリテーションを行った.対照は,七栗記念病院の回復期リハビリテーション病棟に過去に入院した患者の中から,対象と同等の条件を満たす者を各1名,合計6名選出した.訓練開始から歩行監視になるまでの期間におけるFIM歩行の利得を,必要とした週数で割った値をFIM歩行改善効率と定義し,主要評価項目とした.
【結果】FIM歩行改善効率はGEAR群で平均1.0,対照群で平均0.54であり,GEAR群で有意に高かった(p=0.042).
【結論】GEARを用いた歩行訓練を行うことで,歩行自立度が早期に改善する可能性がある.

【キーワード】脳卒中,片麻痺,歩行訓練,ロボット,アシスト

第8巻 目次