原著

回復期脳卒中患者の麻痺側上肢の近位機能と日常生活における上肢スキルの関係

中島直子, 宮坂裕之, 近藤和泉, 岩田香澄, 植松 瞳, 山村千尋, 園田 茂
Jpn J Compr Rehabil Sci 8: 44-50, 2017

【目的】本研究では,脳卒中患者の麻痺側上肢の近位機能が日常生活上のスキルに及ぼす影響について検討した.
【方法】脳卒中患者147名を対象に,Functional Skills Measure After Paralysis(FSMAP)とStroke Impairment Assessment Set のFinger-function test(FF),Knee-Mouth test(KM)を用いて評価した.検討方法は,SIAS のKMのレベルごとのFSMAPの得点を比較した.
【結果】SIASのFFが0,1Aでは,KM0,1に比べKM2,3が,FFが1B,1C,2では,KM0,1に比べKM2,3が,さらに,KM2,3に比べKM4,5が,FFが3,4,5では,KM2,3に比べKM4,5のFSMAPの得点が有意に高かった.
【結論】横断的な研究ではあるが,遠位機能のレベルが同一の場合,近位機能のレベルの違いが上肢を使用したスキルに影響することが考えられた.

【キーワード】脳卒中,上肢機能,ADL,評価

第8巻 目次