原著

運動FIMと認知FIMを層別化して4つの予測式を作ることで運動FIM 利得を目的変数とした重回帰分析の予測精度が高まる ―日本リハビリテーション・データベースを用いた研究―

徳永 誠, 當利賢一, 江口 宏, 角 洋子, 池島由貴, 牛島美幸, 宮部伸子, 辻本真也, 福田恵美子
Jpn J Compr Rehabil Sci 8: 21-29, 2017

【目的】要因を層別化することで運動FIM利得を目的変数とした重回帰分析の予測精度を上げることを目的とした.
【方法】脳卒中患者2,542例を対象とした.運動FIM利得を目的変数とした重回帰分析において8つの要因を層別化して予測式を作成し,運動FIM利得の実測値と予測値との相関を調査した.
【結果】相関係数は,1つの予測式(0.507)よりも,性別(0.509),脳卒中のタイプ(0.512),在院日数 (0.516),発症から入院までの日数(0.518),発症前 modified Rankin Scale(0.520),年齢(0.541),入院時認知FIM(0.588),入院時運動FIM(0.641)の層別化を行うことで大きくなり,入院時の運動FIMと認知FIMの2要因で4群に層別化した場合に0.653となった.
【結論】要因を層別化することで運動FIM利得の予測精度を高めることができた.

【キーワード】Functional Independence Measure,FIM利得,重回帰分析,層別化,脳卒中

第8巻 目次