徳永 誠, 桂 賢一, 時里 香, 本田省二, 中西俊人, 高井聖子, 中島雪彦, 野尻晋一, 渡邊 進
Jpn J Compr Rehabil Sci 8: 16-20, 2017
【目的】FIM利得を目的変数とした重回帰分析の決定係数は低い.入院1か月間のFIM改善を説明変数に加えることでFIM利得の予測精度を高めることを目的とした.
【方法】回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者547例を対象にした.運動FIM利得を目的変数とした重回帰分析において,入院時のデータだけを用いた予測式(model 1)と1か月間FIM改善を加えた予測式(model 2)を作成し,自由度修正済み決定係数R*2,運動FIM利得の実測値から予測値を引いた残差を調査した.
【結果】model 1 のR*2 は0.364,model 2 のR*2 は
0.711 であった.model 1 の残差は0±12.3,model 2
の残差は0±8.3であり,model 2 では残差の標準偏差が縮小した.
【結論】1 か月間のFIM改善を説明変数に加えることで運動FIM利得の予測精度が高まった.
【キーワード】FIM利得,重回帰分析,1か月間,説明変数,脳卒中