原著

バランス練習アシストの慢性期脳卒中片麻痺患者における到達ゲーム課題レベルは実施後のバランス能力と関連する

角田哲也, 平野 哲, 才藤栄一, 田辺茂雄, 矢箆原隆造, 棚橋美帆, 近藤竜輝, 村松永陽, 布施郁子, 加賀谷斉
Jpn J Compr Rehabil Sci 7: 87-94, 2016

【目的】バランス練習アシスト(BEAR)はロボット技術を用いたバランス練習システムである.慢性期脳卒中片麻痺患者にBEARを実施し,バランス能力とBEARのゲーム課題レベルとの関連を明らかにすることを目的とした.
【方法】慢性期脳卒中片麻痺患者15例を対象とした.練習期間前後にて,BBS,TUGなどのバランス指標や,下肢筋力,運動麻痺を評価した.各ゲーム課題(テニス・スキー・ロデオ)の到達レベルと,実施後のバランス能力との関連性をSpearmanの順位相関係数から検討した.
【結果】TUG,FRT,快適歩行速度が有意に改善した.BBS,FRT,快適歩行速度は,いずれのゲーム到達レベルとの間において有意な相関を認めた.
【結論】BEARによるバランス練習が,動的な姿勢制御能力の改善に寄与したと示唆された.BEARの各ゲーム課題の到達レベルは,実施後の被検者のバランス能力を反映していると思われた.

【キーワード】ロボット,リハビリテーション,片麻痺,バランス練習,課題難易度

第7巻 目次