小野瀬剛広,大仲功一,鈴木邦彦,安斎愛美,佐藤成美,木村美希,下黒澤綾乃
Jpn J Compr Rehabil Sci 7: 45-50, 2016
【目的】脳卒中後の上肢麻痺に対し,CI療法の構成要素であるTransfer Package(TP)を作業療法に加え自主トレーニング(以下,自主トレ)として行った結果を検討した.
【方法】対象は発症から8-16週経過した初発脳卒中患者12名.通常の作業療法に加えTPを含む自主トレを実施した群(TP 実施群)と通常の作業療法に加えストレッチや自己介助運動などの自主トレを実施した群(TP非実施群)の2群に分けて効果の比較検討を行った.両群の自主トレは1日30分程度,3週間毎日実施した.開始時と3週間後にManual Function
Tes(tMFT),Motor Activity Log(MAL)を用いて評価した.Wilcoxon符号付順位検訂を用い,各評価項目について介入前後の変化について検討した.
【結果】MFTは両群ともに有意に向上したが,MALのAmount of Use とQuality of Movement はTP実施群がTP非実施群に比べ有意に向上した.
【結語】回復期において,日常生活レベルでの麻痺側上肢の使用頻度と動作の質を向上させるためにはTPを含む自主トレは有効であることが示された.
【キーワード】回復期,麻痺側上肢機能,自主トレーニング