徳永 誠,森 義貴,緒方義尚,田中康則,内野康一,前田悠希,神吉真智子
Jpn J Compr Rehabil Sci 7: 13-18, 2016
【目的】「入院時運動FIMで層別化した運動FIM利得の中央値」(mFIM利得中央値)を求め,この標準的な利得を重回帰分析に投入することで,脳卒中患者の運動FIM利得の予測精度が高まるのかを明らかにする.
【方法】日本リハビリテーション・データベースに登録された脳卒中患者2,542例を対象にした.入院時運動FIMを2 点刻みで39群に層別化し,各群におけるmFIM利得中央値を調査した.説明変数は,mFIM利得中央値を加えたものと加えないものとし,運動FIM利得を目的変数とした重回帰分析を行った.そして運動FIM利得の実測値と予測値との相関を調査した.
【結果】mFIM利得中央値を説明変数に加えることで,運動FIM利得の実測値と予測値との相関係数が0.507から0.638に高まった.
【結論】mFIM利得中央値は,運動FIM利得を予測する重回帰分析の予測精度を高める説明変数である.
【キーワード】Functional Independence Measure,FIM利得,重回帰分析,説明変数,脳卒中