原著

8つの重回帰分析を用いた脳卒中リハビリテーションにおける要因の影響力評価―日本リハビリテーション・データベースの分析―

徳永 誠,谷口真友,中門啓一,三穂野大樹,大城戸麻美,牛島 武,江口議八郎,渡邊 進,中西亮二,山永裕明
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 78-85, 2015

【目的】脳卒中リハビリテーションにおいて要因の影響はどのような患者群で大きいのか,重回帰分析によって明らかにすることを目的とした.
【方法】2014年版日本リハビリテーション・データベースに登録された回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者1,465例を対象にした.年齢,入院時運動Functional Independence Measure(FIM),入院時認知FIMで8群に層別化し,退院時運動FIMを目的変数とした重回帰分析を行った.
【結果】8群のうち,入院時運動FIMは7群,入院時NSKHは5群,年齢と発症後入院病日は4群,入院時認知FIMは3群,発症前modified Rankin Scale は1群において有意な説明変数であった.
【結論】重回帰分析において複数の予測式を作成すれば,要因の影響がどのような患者群で大きいのかを明らかにすることができる.

【キーワード】重回帰分析,脳卒中,層別化,要因,Functional Independence Measure

第6巻 目次