原著

認知症高齢者を対象としただるま作りとゲームの主観的QOLの変化

土屋景子, 金山祐里, 小野健一, 小原謙一, 古我知成
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 71-77, 2015

【目的】通所リハビリテーションに通う認知症高齢者を対象に机上での作業とレクリエーションをそれぞれ 6回継続して行い,活動内容や作業工程の違いが,認知症高齢者の主観的QOLにどのような影響を及ぼすのかを明らかにする.
【方法】それぞれの作業の前後で主観的QOLがどのように変化するかを,感情を指標とした改変ARSを用いて測定し変化率を各回ごとで比較した.
【結果】机上での活動は,1 回ごとに作業内容が異なり,赤い和紙を使用した3 回目の変化率が,5,6回より有意に値が高かった.レクリエーションでは内容が毎回同じであったが,1,2回目は差がなく低値であり,3,4,5,6回目より有意に値が低かった.
【結論】机上での活動は,1 回ごとに異なった活動の内容に影響されたと考える.一方,レクリエーションはいったん高値になった変化率は保持された.それぞれの活動内容の特徴が,主観的QOLに影響した.

【キーワード】認知症高齢者,主観的QOL,机上での活動,レクリエーション

第6巻 目次