原著

FIM利得および退院時FIMの予測式―入院時FIM,年齢,認知機能および転院時期で層別化した場合のFIM利得中央値を使った手法―

徳永 誠, 三宮克彦, 中島雪彦, 野尻晋一, 時里 香, 桂 賢一, 渡邊 進, 中西亮二, 山永裕明
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 6-13, 2015

【目的】標準値に年齢・認知機能・転院時期の影響係数を掛けることで,FIM利得と退院時FIMを予測することを目的とした.
【方法】対象は,A病院の回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者1,118例である.入院時運動FIM(mFIM)に応じたmFIM利得や退院時mFIMの中央値を標準値とした.これに年齢・認知機能・転院時期の影響係数を掛けて,mFIM利得と退院時mFIMの予測式を作成した.
【結果】実測値と予測値の相関係数は,mFIM利得の予測では0.681,退院時mFIMの予測では0.874であった.実測値から予測値を引いた残差は,mFIM利得の予測では1.4±12.5(中央値0),退院時mFIMの予測では1.3±12.6(中央値0)であった.
【結論】相関係数は重回帰分析の報告と同程度であった.この手法は,要因とmFIM利得・退院時mFIMとの関係を明瞭に示すことができた.

【キーワード】Functional Independence Measure,FIM利得,重回帰分析,予測式,要因

第6巻 目次