原著

嚥下内視鏡検査を用いない摂食嚥下障害臨床的重症度分類判定の正確性

西村和子,加賀谷斉,柴田斉子,小野木啓子,稲本陽子,太田喜久夫,三鬼達人,田村 茂,才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 124-128, 2015

【目的】習熟した看護師が臨床所見やスクリーニングテストから摂食嚥下障害臨床的重症度分類(DSS)を判定し,嚥下内視鏡検査を用いたDSS評価と比較すること.
【方法】2011年7月から2012年3月までに摂食・嚥下障害看護認定看護師(CNDN)1名がDSSを臨床的に評価し,その後に,多職種が嚥下内視鏡検査を行ってDSSを最終的に評価した摂食嚥下障害患者45例(平均年齢75歳)を対象とした.自作プロトコー ルから自動的に行ったDSS判定,CNDNによるDSS判定,嚥下回診で嚥下内視鏡検査を用いたDSS判定の三つを比較した.
【結果】プロトコールと嚥下回診の判定一致は64%,CNDNと嚥下回診の判定一致は91%,プロトコールとCNDNの判定一致は69%であった.
【結論】習熟したCNDNは,臨床所見とスクリーニングテストを用いて十分正確にDSSを判定できる可能性が示された.

【キーワード】摂食・嚥下障害看護認定看護師,スクリーニングテスト,嚥下内視鏡検査,摂食嚥下障害臨床的重症度分類

第6巻 目次