原著

バランス練習アシストにおける3種類の課題別下肢筋活動の特徴

石原 健,平野 哲,才藤栄一,田辺茂雄,伊藤慎英,矢箆原隆造,加藤 翼,澤田雄矢,角田哲也,加賀谷斉
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 105-112, 2015

【目的】バランス練習アシスト(BEAR)はロボット技術を用いたバランス練習機器である.今回,BEAR使用中の下肢筋活動の特徴を明らかにすることを目的とした.
【方法】健常成人7名を対象とし,重心移動課題のテニスとスキー,外乱対処課題のロデオからなる3種類のゲームを,4段階の難易度で1ゲームあたり90 秒間ずつ施行した.表面筋電図は両側の大殿筋,中殿筋,大腿直筋,内側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋, 長腓骨筋を用い,筋積分値から平均筋活動量を算出した.
【結果】各ゲームの筋活動量は難易度の上昇に伴い増加し,ゲーム間の筋活動量を比較すると,前脛骨筋ではロデオがテニス(p = .009)とスキー(p = .017) より大きく,腓腹筋ではロデオがスキーより大きく (p = .045),長腓骨筋ではスキーがテニスより大きかった(p = .041).
【結論】BEAR は難易度の変更により下肢筋への負荷の調整が可能であり,3種類のゲームはそれぞれ異なる下肢筋活動を促すことが可能であった.

【キーワード】ロボット,リハビリテーション,バランス練習,難易度,筋電図

第6巻 目次