原著

75歳以上の高齢脳卒中患者における訓練単位数とFIM 改善との関係

徳永 誠, 渡邊 進, 中西亮二, 山永裕明, 米満弘一郎, 田中 誠, 中園健太郎, 黒土達也, 金場俊二, 川野眞一
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 79-86, 2014

【目的】75歳以上の高齢脳卒中患者において訓練単位数とFIM改善との関係を明らかにする.
【方法】対象は,一回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者245例である.各患者で補正運動FIM effectiveness:運動FIM利得/(A−入院時運動 FIM)を求めた.Aは,入院時運動FIMが13〜18, 19〜24,25〜30,31〜36,37〜90点の場合,38,59,80,87,91点である.訓練単位数が5単位未満と5単位以上の2群間で補正運動FIM effectiveness を比較した.
【結果】75〜84歳と85〜96歳では,5単位以上群では5単位未満群よりも有意に補正運動FIM effectiveness が大きかった.
【結論】75〜84歳だけでなく85〜96歳の高齢者に おいても,訓練単位数が多い群でFIM改善(補正運動FIM effectiveness)が有意に大きいことを明らかにした.

【キーワード】高齢者,訓練単位数,FIM 利得,補正運動FIM effectiveness,回復期リハビリテーション病棟

第5巻 目次