谷野元一, 園田 茂, 渡邉 誠, 奥山夕子, 佐々木祥, 村井歩志, 冨田 憲, 鈴木 享, 川上健司, 宮坂裕之, Orand Abbas, 富田 豊
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 40-49, 2014
【目的】回復期脳卒中患者の歩行能力の経過を歩行能力および下肢運動麻痺の重症度別に明らかにすること.
【方法】脳卒中片麻痺患者1,698 例を対象とした.入院時のFunctional Independence Measure の歩行(FIM歩行)により1〜7点,入院時のStroke Impairment
Assessment Set の麻痺側運動機能項目から下肢3項目の合計点により,完全麻痺群,重度麻痺群,中等度麻
痺群,軽度麻痺群の4群に分類して合計28 区分へ層別化したのち,FIM歩行の経過を検討した.
【結果】入院時FIM歩行が1点や2点の完全麻痺群は退院時のFIM歩行が他の麻痺群に比べ有意に低く,
入院時FIM歩行が3点や4点では麻痺の違いによる退院時のFIM歩行への影響は比較的小さくなる傾向にあった.
【結論】入院時の歩行能力や運動麻痺の違いにより,脳卒中患者の歩行能力の経過が一様ではないことが明らかとなった.
【キーワード】脳卒中,回復期リハビリテーション病棟,歩行,片麻痺